定年後の本格DIYリフォームで・・・住み易く美しく

築35年のミサワハウス55が70才老人の本格DIYでシンプルで美しくなっていく

セラミック壁、手入れが悪いとボロボロに。

こんばんは、DIYグランパです。


苦難は続くミサワホーム55で、土台、屋根に続いて壁の問題です。
ミサワホームのハウス55はPALCの壁のみで外環境と室内環境を仕切っています。壁厚は12cmで、壁の外周近くに帯鋼が、壁全面に鉄筋が埋め込まれています。


PALCとはPrecastable Autoclaved Lightweight Ceramic の略で型枠成型、加圧焼成、軽量のセラミックとなるのでしょうか、GoogleでPALCと検索するとページの先頭に出てきました。耐火性、耐久性、遮音性、耐風性を飛躍的に向上させた多機能素材がうたい文句です。


ところが築30年たったころ、この外壁にひびが入り酷いところは割れて脱落してしましました。特にひどかった箇所は面図1-2で示す箇所Aと箇所Bです。

図面1-2:壁修復箇所


箇所Aは1階の壁最下部でPhoto18は壁を補修した痕跡を示すものです。壁の模様が変わっています。

Photo18:壁修復箇所A


縦30㎝、横40cmにわたり壁を欠き取り、複数に割れたパーツを発泡コンクリート修復剤でつなぎ合わせて修復しました。

Photo19 :壁修復箇所B


Photo19 は箇所Bで2階壁の最下部でこれも縦15cm横30cmにわたって大きなひびが入って、その個所をはぎ取って修復した後です。


何故に壁最下部にダメージを受けやすいかについて説明します。PALCは多機能素材とはいえ多孔質でいわば軽石のような組成です。従って外壁塗装にひびや剥がれなど、少しでも防水性の弱いところがあると雨水は壁内部に浸透していきます。塗装壁はひびなどが入ったところ以外の箇所は防水特性が保たれていますので雨水が中部内部に保持されたまま重力により壁最下部に溜まることになります。そして冬場の凍結などにより水の溜まった個所は風化してボロボロになります。


グランパはこれらの箇所の修復も含め外壁塗装を業者に依頼しました。その際、壁面を徹底的に打音検査し、劣化の箇所はV溝を入れ修復剤を充填するよう指示しました。
壁修復が終わり、塗装に入る前にグランパは足場の最上部まで上がり修復のやり残しや不手際がないか検査しました。塗装業者には「そこまでやる人は初めてです。」と言われましたが自分の家は自分で守るの精神でやり通しました。


現在販売されているミサワホームセラミックのHYBRID住宅も外壁はPALCです。外壁保護は30年持つと耐久性をアピールしていますが、何かの事象で防水性が保持できなくなると劣化は早まります。やはり自分の家は自分で守るも気持ちを保持し続けてください。


グランパのミサワホーム55も35年住み続けた実績と、さらに手を入れようとの意欲が掻き立てられる家です。


これで住宅の基本部分の保全は完了したとして。次回からはいよいよDIYによるリフォーム・リノベーションの話に進みます。

ああ、老後資金に羽が生えて「屋上屋」の上を飛び去って行く

おはようございます。DIYグランパです。
前回に引き続き、思い出したくない雨漏り防止工事の話題です。


前回ではミサワホーム55の設計上の問題で雨漏りがひどく、その解決のため屋上屋を架すことになったとお話ししましたが、今回はその工事の内容を説明します。


まず旧屋根の構造チャネルの上に新屋根を取り付ける構造チャネルをねじ止めします。(Photo 15参照)


Photo15:旧屋根の構造チャネルの上に新屋根の構造チャネルをねじ止め。


ここで旧屋根の上に断熱材を敷き詰め、新屋根を取り付けたときの断熱性を高めます。(Photo 16参照)


Photo16:旧屋根と新屋根の間に断熱材を挿入



その上から新屋根の篏合式式屋根鉄板を敷き詰め、棟部および壁最上部のケラパ部には止水面戸を取り付けます。(Photo17参照)

Photo17:新屋根完成図


この工事により雨漏りは完全に治まり、今もこの良好な状態が続いています。


ミサワホーム55も最初からこのような屋根構造にしておけばグランパのように泣きを見る人がいなかったのに。老後資金にためた貯金のうち200枚以上のお札に羽が生えて、この屋上屋の上を飛び去って行きました。


思い起こせば1993年ごろ、ある屋根工事屋から電話がありミサワホーム55で雨漏りに苦しんでいる家があり、現状の平屋根の上に三角屋根を乗せる工事をやるが、あなたのところもやらないか? 複数の箇所で同じ工事をすれば安く上がるという勧誘がありました。当時はまだ雨漏りが発生していなかったのと、資金もなかったので断りました。しかし築10年ちょっとで雨漏りに苦しめられている人が出ていたんですね。


また、当家の屋根工事が終わって数年したころ、2階の窓ガラスを割ってしまってその補修の見積もりをミサワホームのメンテナンス専門会社から取った時、窓の状況を見せてほしいと言って5人でやってきました。何故たかが窓ガラスの件でわざわざこんなに大勢でやってきたのと聞いたら、屋根の状況も見に来たんですとのこと。本心は屋根工事の話をしたかったようですが、もう済んでますとお断りしました。


1981年にミサワホーム55を発売した1年後、グランパの家の補修後の屋根の形状によく似たミサワホーム55 FX2が発売されてます。

屋上屋とはこのことか!! 雨漏り対策とはいうけれど。

皆様こんばんは、DIYグランパです。今回は私にとっては思い出すのも嫌な問題です。


「屋上屋を架す。」とのことわざは屋根の上にさらに屋根を設けることで、無駄の象徴とされるのは皆様ご存知のことと思います。それが現実の問題として降りかかろうとは思ってもいませんでした。


築10年を過ぎたころの、季節的には丁度今頃です。屋根の上で頻繁に鳥が歩く音がしました。鉄板屋根の家ですから鳥が歩くとコツコツカンカンと金属音がします。当時寝室は北側の6畳間でしたが鳥が屋根を歩いた後、部屋の中央付近の天井裏でガサゴソ物音がしていました。そのうち天井裏で鳥の雛の声がし始めました。寝室の北側の道路から双眼鏡で眺めているとムクドリが出入りしているのが見て取れました。


次の年もムクドリが営巣しやがて巣立っていきましたが、ふと気が付くと天井から柱伝いにダニの行列がベッドの方へ向かっていました。施主様は悲鳴を上げ、グランパはキンチョールスプレーを取りに走りました。


後始末が一段落すると、ふと「この家の屋根の構造はどうなっているのだろう。」との疑問が頭をもたげました。この状況を考えるに、屋根と壁の間から天井裏に鳥の侵入できる間隙があるということか。まずは来年の営巣対策に、ホームセンターで金網を購入し侵入経路と思しき雨どいと屋根の間に網掛けしました。この対策にもかかわらず翌年にはまたムクドリが営巣しましたので、今度は北側の壁と屋根の間、約4mわたり網掛けをしました。


営巣の件はこの対策で解決したものの1995年ころから雨漏りが始まりました。初めは台風や強風雨の時など天井と壁の間から一筋程度の雨漏りでしたが年を追うごとにひどくなりついにプロに相談しました。その結果以下の3点の問題が指摘されました。

Photo13:屋根と壁最上部の状況(営巣対策で入れた金網が見える)

Photo14:屋根の鉄板を剥して壁と天井の様子を見る。(コーキングを除去したところ)

  1. 屋根と壁最上部との間には間隙がある。(Photo13参照)
  2. 壁最上部と天井の間にはコーキングが入れてあり屋根と壁の間を通った雨水はここで食い止められる。(Photo14参照)
  3. 壁最上部は再塗装してもクラックが入ったり、屋根と壁の間(金網のあるところの内部)には再塗装ができないので防水が弱くなる。(同じくPhoto14参照)

 第1の問題は間隙があることですがグランパがムクドリの営巣対策のために金網を入れることができるくらい広い間隙が在りました。


 第2の問題は雨水に対する防水はコーキングにより保たれているがコーキングの耐用年数は10年でそれ以降はコーキングをやり直さなくてはなりません。しかし屋根板をはがして壁と天井の間のコーキング全部をやり直すことは事実上不可能です。


 第3の問題は壁の最上部の塗装の問題で、そこは塗装の経年変化が最も大きい箇所なのでクラックが入りやすいのと。屋根と壁の間は再塗装ができないため発泡セラミックの壁に雨水が浸透しやすくなり、これも雨漏りの原因になります。


これらの問題は設計上のミスとしか言いようがありませんが、築後20年たって設計ミスといっても如何ともしがたく、屋根専門家に対策を仰ぐこととなりました。


対策は壁最上部も含め既存の屋根全体を、その上から新たな屋根で覆うというものでした。これは諺の通り「屋上屋を架す。」というものでグランパにとっては理不尽で全く無駄な工事というほかありません。今思い出しても悔しくてたまりません。