定年後の本格DIYリフォームで・・・住み易く美しく

築35年のミサワハウス55が70才老人の本格DIYでシンプルで美しくなっていく

コンクリート基礎の打直し、動かし屋の妙技。

築5年でコンクリート基礎がボロボロに!! こんにちは、DIYグランパです。今日はその改修までの道のりをお話しします。


第1回の打ち合わせで、工事記録を調べてみますと言って帰ったミサワホームですが、第2回の打ち合わせの冒頭に、「工事記録を調べた結果は軟弱地盤向けの3トン基礎工事を行っていた」との報告がありました。従って、現状でも十分耐力があるのでクラックの部分に「V溝を掘って充填剤を入れれば十分ですよ」とのことでした。


チョット待って。工事記録を調べて軟弱地盤用基礎のオプション工事が行われていなければ、「イャーそれは発注者が軟弱地盤用基礎を発注しなかったのが原因ですよ。」、行われていれば「十分耐力があるので簡単な補修で大丈夫。」の両掛け言い訳が用意できるわけです。どちらにしろ大げさなことはやりたくないとの姿勢が見え見えですよね。少なくともボロボロになった原因を明確にしてと要求しました。その後の数回の打ち合わせでも、のらりくらり小改修で済ませようとするので、さすがのグランパもブチ切れ「私の叔父が一級建築士として国交省(当時の建設省)系の公社にいるので、その人を中に入れよう」と告げたところ再度上司に相談しますと言って帰っていきました。


当時、グランパは部下なしの名ばかり管理職で超多忙な日々ではありましたが、職場にアポの電話を入れてきたので「これが最後の打合せにしてくれ」と言ってきてもらいました。回答はコンクリート基礎に使用した上部横筋が、19mmを使用すべきところ22mmを使った恐れがあるとのことで、コンクリートが鉄筋に負けてクラックや欠けが出ているのではないか、ハツって調べてみる。もしそうであったなら全面補修工事とするということになりました。ハツリ調査には立ち会えなかったので後日、全面改修するとの報告を受けました。

図面4:現状基礎断面図



補修は図面4のような現状の基礎の、フーチングの部分はそのままで立ち上がり部分をすべてハツってを図面5のように改修するよいうことです。つまり横筋を直径13mm筋6本にしてその間を10mmのスターラップ筋でつなぐというものです。またコンクリートの幅もすべて200mmに統一することになりました。さらにコンクリートも27Nから30Nのものに変更してもらいました。

図面5:コンクリート基礎の強化補修図


そして要所にフーチングと立ち上がり部分のジョイントを強化するため、フーチングにアンカーを打ち込みH型鋼材の補強を入れ、さらにコーナー部分にもH型鋼材の補強を入れるというものです。

図面6:コンクリート基礎への補強アングル埋設挿入図


工事に伴う引越しは必要なく、日常の不便も掛けないということでした。この条件で双方が和解し、工事を進めることになりました。費用負担等、和解の条件は慣例により非公開とさせていただきます。


工事は東亜道路という道路工事専門会社が施工することになりました。道路の拡幅工事で家ごとセットバックせざるを得ないとき、建物ごとジャッキ上げし移動する「動かし屋」さんで、今回の工事は移動を伴わないので数十mmジャッキ上げして、その下ですべての工事を実施しています。工事は見事でした。


ただ工事の後始末が悪く、床下にコンクリート片やピアノ設置のための床を補強用コンクリートブロックが転がっていたり、防湿シートがめくれ上がり一部は破れて散乱したりでした。工事の時気が付けばよかったのですが、気が付いたのは何年もしてからで後日この補修に苦労しました。


以上が基礎の補修に関する顛末で、その後は基礎に関する大きな問題は発生していません。一時は裁判も覚悟しましたが、そこまでいかずに済みました。また、打ち合わせの記録や図面並びに地耐力試験などの試験データーはしっかり保管しておくことが必要ですね。


今回のような大改修が必要になった時でも、中小建設会社の場合には会社存続の問題になってしますので、まったく取り合ってくれないか、強引に交渉してもこちらのダメージも相当大きくなってしまいます。その点ミサワのように大手の場合には交渉の余地が広くなると思います。


次回は雨漏りの補修に関するお話です。